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外見から感じた、よく言えば質素なところは、やはり中に入っても変わらずであった。
今巽がすんでいる武家屋敷ほど質素でもないが、桂花がいる城の間よりは華やかさはない感じである。
最も桂花の場合は単に南蛮かぶれから南蛮物が沢山あり、それが色彩豊かなものばかりだから、というのも一つあるにはあるのだが。
そして、この部屋に通されてから早30分ほど、お目当ての浅井長政はいまだに現れなかった。
巽が来たときには「すぐに参りますから。」と言っていたが、30分はすぐとは言わない。
既に中ではピリピリとした空気が流れ始めていた。
家臣としてはすぐに来るものだと思っていたようで、「殿はまだなのか。」とざわついているのが微かに聞こえる。
しかしながら、巽としては突然アポ無しで来た身であるし、別にそこまで気にはしていなかったのだが、そんなこと浅井家臣は知るよしもない。
しかも、相手は織田の使者、自分より強い大名であり無下にもできず、また朝倉との同盟もあるため、遅れれば遅れるだけ和をかけて殺伐とした空気になる。
実は既に亜璃栖は忍びとして立派に護衛をしているし、何より殺る前から殺気を放つような半端者にさしだったりたかだか数人程度でやられるとも思ってないので、それすらもあまり気にならないのだが。
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