浅井長政

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「確かにその通りでしょう。しかし、それはその都度織田が援護を回す体制を敷けばいいだけです。それだけで朝倉には牽制になります。私達としても朝倉と手を切れ、等と申すつもりはありません。」 「いくら隣国とはいえ、稲葉山……失礼いたしました。岐阜城から小谷城は距離があります。しかも、山々がありますから、直進は出来ますまい。いくら有事に備えていても、それでは間に合わない。」  そう、今の状況からその策に欠点があるとすれば、その一点だけだった。  単に直線距離だけを見ればそこまで遠くはない。しかし、それはただ直線距離だけを見た場合で、実際には険しい山々を避けて進軍したら、援護が回らない可能性もあるのだ。 「岐阜城からなら間に合わない可能性は確かにあります。しかしそれが岐阜城ではなく観音寺城からなら?」  その点、距離が少しあるとはいえほぼ真っ直ぐでも進める観音寺城からなら、それも机上の空論ではなくなる。 「観音寺城が確かに織田家の居城なら、そうでしょう。しかし観音寺城は六角家の居城。そもそもないもので話を進めても仕方ないでしょう?」
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