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「元々クーラーの下で夏はだれていた俺にはこの暑さは堪えるんだよぉ……。あぢぃ。」
クーラーとはなんですか? と桜が聞いてくるが、それに答えるだけの余裕は巽にはない。
「まぁ、確かにだらしないですね。巽さん。」
藤は本来この部隊の人ではないが、今はどうやら桂花の名で部隊を見回っているらしく、だらけている巽をまた叱咤した。
当然等の本人は暑そうなそぶりひとつ見せない。
「まぁ、気持ちはわかるけどねぇ。確かにだらしないよ。巽。」
後ろには蘭がいて、珍しいことに真面目に藤についてきてちゃんとしているようだ。
「確かに暑いけど、だれるほどのものではないでしょ。」
最も蘭がだれてないのは暑いと感じていないからだけかもしれないが。
「だからクーラーっ子な俺は無理なんだよぉ……なんて、いってもいられないか。」
「そうです。クーラーっ子がなにかはわかりませんが、殿の言動が兵のやる気に直結することを自覚してください。」
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