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「でも、使い魔になったからといって体を許したわけじゃないんだからね」
「ツンデレで恥じらうんじゃねぇよ!そして、その格好をどうにかしろ!」
リョウが指差す死神の格好は薄く白い布1枚だけのほぼ肌着だ。
その薄さと純白さゆえにうっすらその先が見えるような気がしてならない。
「そうだな。これ以上、欲情されて、襲われてはかなわない」
「襲わねぇよ!」
抜け殻のようにその場に佇んでいた死神の外套が少女にまとわりつき始める。
変化が収束すると、それはまるで黒いローブを着ているようにしか見えない。
頭部の頭蓋骨はどのように収納されたのかローブの背面に横顔を覗かせるような形で定着している。
まるで、そういう意匠としてローブに縫われているかのようだった。
ローブのフードをとり、その長い銀髪をすくい上げてローブの外へと出し、頭を振る姿は一つの絵画のように綺麗だった。
「……反則だろ」
「どうした?」
「い、いや、なんでもない。それよりそろそろ戻ろうか。俺たちが話している間に召喚者の貴族たちは運ばれていったし、ここにいたら邪魔になるし」
「使い魔召喚を続けるのか?」
「そりゃ、まだ途中だったしな。俺たちは終わってるけど」
「ふむ。ならば、新たに召喚陣を描くことだな。先ほどのは私が消してしまった」
「ホントだ。まぁ、それは教師の仕事だろ」
「その教師が説明を求めるような眼差しで見てるぞ、リョウ」
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