68人が本棚に入れています
本棚に追加
はじめはキミからだった。
あまり乗り気でなかったクラスでの飲み会後のエレベーターに程よく酔った僕たちがいた。
エレベーター内の目の高さには、多くのチラシが張られている。
極彩色の魚のウロコのようだった。
きっと几帳面な人が張ったのだろう。
そのうちの一枚にリカが視線を向けていた。
リカはクラスでも一目を置かれている存在だったが、僕はその逆。
リカとは会話をしたことすらなかった。
「ヒロト君。」
甘く媚びを売るようないつもと違う声に、自然と溜め息が漏れる。
大凡リカの視線で予想はしていた。
赤いルージュから軽く吐息が漏れながら、唇が重なった。
最初のコメントを投稿しよう!