グレイシャル ラブ

4/6
前へ
/6ページ
次へ
はじめはキミからだった。 あまり乗り気でなかったクラスでの飲み会後のエレベーターに程よく酔った僕たちがいた。 エレベーター内の目の高さには、多くのチラシが張られている。 極彩色の魚のウロコのようだった。 きっと几帳面な人が張ったのだろう。 そのうちの一枚にリカが視線を向けていた。 リカはクラスでも一目を置かれている存在だったが、僕はその逆。 リカとは会話をしたことすらなかった。 「ヒロト君。」 甘く媚びを売るようないつもと違う声に、自然と溜め息が漏れる。 大凡リカの視線で予想はしていた。 赤いルージュから軽く吐息が漏れながら、唇が重なった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加