グレイシャル ラブ

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この前女性と寝たのはいつのことだっただろうか。 少なくとも一ヶ月単位で何度か指が折れる。 僕は面倒なことが苦手だった。 一人暮らしの僕にはいくつか面倒なことがあるが、その中で恋愛が一番面倒だった。 恋愛はしなくても、いくらでも快適な暮らしが出来るからだ。 30分後、僕とリカはホテルの一室にいた。 両側に無数のラブホテルが並ぶ中から、過剰にデコラティブではなく、新しげなところを選んだ。 部屋に入ったリカは背を伸ばしてソファに浅く腰掛けた。 僕は少し離れたカバーのかかったベッドに座った。 リカはマフラーをほどき、コートを脱いだ。 白いモヘアのセーターが現れる。 リカの胸をまじまじと見た。
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