2 視線

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――― それからたくさんバスケの話をした。 話をまとめると、和泉は、 中学からバスケを始めた。 和泉が先輩から言われたことは、コート全体がよく見渡せて、フェイクが上手く、相手をドリブルで抜くのが得意。で、PG(司令塔)のポジションを任された。得意とまではいかないが、シュートも上手いらしい。 「そーいえば、雫ってどこ中出身?」 「私は聖蘭中。和泉は――…」 「聖蘭中!?バスケ強いとこだよね!そこでスタメン?すごーい!」 「…あ、ああ。ありがとう。和泉は?どこ中出身?」 和泉の勢いに呑み込まれそうになった。とりあえずお礼を言って、さっき遮られてしまったことを和泉に聞いた。 「あたし?あたしは翔架中だよ」 「翔架中……ここからちょっと行った南町にある?」 私は頭の中で、南町の地図を思い浮べながら言った。この学校からは近いところだ。 「うん、そうだよ」 「聖蘭中近いな。西町だから」 「そっかぁ。そう言われれば。じゃあお互い家、近いかもね!」 屈託なく笑う和泉に、そうかもな、と笑った時、担任だと思われる女の人が教室に入ってきて、一時話すのを止めた。 *** 私が"聖蘭中"と言った時、私を見ていた視線に私は、気付かなかった。 「――聖蘭中バスケ部、時名 雫――…」 「どしたー?碧」 「……いや。なぁ、伶」 「んー?」 ***
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