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「ちょ…」
「あおくん!おはよ!」
私のことはお構いなしに、明るく男子に挨拶した。
「…和泉。大声で呼ぶなよ……」
はぁ、と呆れ顔の男子。
「えー?呼んじゃった。えへへ」
完全に和泉ペース。私は呆然。
「って、和泉!?知り合い?なんだよね?」
我に返った私は和泉に言った。
「え?ああ!雫、初めましてだよね!えっとね…」
ぐいっ、と声をかけた男子の腕を引っ張って私の前に立たせた。
「彼は槻館 碧(つきたち あおい)くん!あたしの幼なじみなの!」
私の前に腕を引っ張られた男子は、毎回の事、とでも言うかのように呆れ顔をしていた。
「お、幼なじみ…?…そうなんだ」
そう言って、槻館くん(…?)を改めて見た。
(…うん。属に言う"イケメン"、ですね、うん。周りの女子みんなの視線集めてるのがよくわかる。近くにいる私が恥ずかしいくらい)
「初めまして、時名 雫です」
「…知ってる」
「…え?」
槻館くんはぼそっ、と何か言ったのを、私は聞き取れなかった。
「いや…、なんでもない」
「おい、碧ー?」
槻館くんの後ろで男子の声がした。
「この超可愛い子だ――…!?」
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