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槻館くんの後ろから、顔を出した男子と目が合った。
「…っえ!?ちょっ、碧!おまっ…!?」
ガッ、と音がした。
どうやら槻館くんが後ろに居た男子のお腹に、肘鉄をしたらしい。
「…っ?!」
「落ち着け」
「はい…」
ふと、和泉を見たら、ちょっと困り顔をしていた。
「碧…」
肘鉄をされた男子が槻館くんに話しかけた。
「なんだ」
「隣に居る可愛い子と、目の前に居る美人さん、紹介して欲しいです……」
「……隣に居るのは、幼なじみの華川 和泉。それから―――」
和泉は男子に向かって微笑んだ。男子も和泉に微笑み返した。
「―――で?で、この子は!?」
ちょっと興奮気味に、男子は槻館くんに聞いた。
「それから―――」
「あたしが、あおくんの代わりに紹介してあげる!」
とん、と和泉が私の背中を押した。
「この子は時名 雫ちゃん!あたしの1番最初のお友達なの!」
「時名……雫―――」
男子は改めて私をまじまじと見ると、ぱぁっ、と顔を輝かせた。
「お、オレっ!雲野 伶(うんの りょう)って言います!よろしく!」
ちょっとテンパっている雲野くんを見て、和泉と顔を見合わせて笑った。そして
雲野くんに向かって
「よろしくね!」
「よろしく」
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