2 視線

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槻館くんの後ろから、顔を出した男子と目が合った。 「…っえ!?ちょっ、碧!おまっ…!?」 ガッ、と音がした。 どうやら槻館くんが後ろに居た男子のお腹に、肘鉄をしたらしい。 「…っ?!」 「落ち着け」 「はい…」 ふと、和泉を見たら、ちょっと困り顔をしていた。 「碧…」 肘鉄をされた男子が槻館くんに話しかけた。 「なんだ」 「隣に居る可愛い子と、目の前に居る美人さん、紹介して欲しいです……」 「……隣に居るのは、幼なじみの華川 和泉。それから―――」 和泉は男子に向かって微笑んだ。男子も和泉に微笑み返した。 「―――で?で、この子は!?」 ちょっと興奮気味に、男子は槻館くんに聞いた。 「それから―――」 「あたしが、あおくんの代わりに紹介してあげる!」 とん、と和泉が私の背中を押した。 「この子は時名 雫ちゃん!あたしの1番最初のお友達なの!」 「時名……雫―――」 男子は改めて私をまじまじと見ると、ぱぁっ、と顔を輝かせた。 「お、オレっ!雲野 伶(うんの りょう)って言います!よろしく!」 ちょっとテンパっている雲野くんを見て、和泉と顔を見合わせて笑った。そして 雲野くんに向かって 「よろしくね!」 「よろしく」
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