3 放課後

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――― 「こっちこっちー!」 東町にあるバスケットコートを地元の雲野くん以外場所を知らなかったから、雲野くんの案内で、ゲーセンを出て10分くらい離れた静かな場所にあるバスケットコートに来た。 「ここあんま人来なそう……」 私は周りを見回した。 そのバスケコートは、目立つ場所、いやマル秘スポットと言えるであろう場所にあって、集中してバスケが出来そうだった。 「だっろー?こーんな目立たない場所にあって、コート2面もあんだぜ?すごくね?」 「確かにそれは凄い!」 和泉が目を輝かせた。 「だろ?よっしゃ、碧!1on1やろーぜ!」 雲野くんがコートの隅にガバンと制服のブレザーを放って、槻館くんをコートの中から呼んだ。 「ああ」 槻館くんも同じようにガバンとブレザーをコートの隅に放り出してコートに入った。 「せっかく新品の制服なのに、汚れちゃうよ!あおくん、伶くん!」 和泉の注意が聞こえてるんだか聞こえてないんだか、2人は早速1on1を始めていた。 「もー!バスケバカなんだから」 頬を膨らませて、それから渋々といった様子で和泉は、コートの隅まで行って、槻館くんのブレザーを拾い上げてパタパタと埃を叩いた。 私も和泉の隣に行き、雲野くんのブレザーを拾い上げた。 「別に拾わなくていーぜ?和泉」 「あー、雫ちゃん!ごめん、ありがと!」 雲野くんは私に向かって、自分の頭の上で手を合わせた。私は「いいよ」の意味で手を振った。 その隣で和泉は、槻館くんの言葉に反応してゆっくりと笑った。 その笑顔は今日1日見たことのない、笑ってるけどどこか冷めた雰囲気の笑顔。 それを見た槻館くんは「あ、やべ……」と言って、顔を青ざめさせた。 「何?その態度は。せっかくの人の親切……なんだと思ってんの?」 「……っ」 その光景を見た雲野くんと私は唾を飲んだ。 「…や!ほ、ほらあれだ!あ、後で拾おうと思ったんだよ!ああ、そうだ!」 槻館くんは物凄く必死に弁解をしていた。 雲野くんは嫌がる槻館くんの背中を押して和泉の前へ行かせた。 その間に私は和泉の隣を離れて、雲野くんと2人で少し離れた場所から見ていた。 「ふーん……そう?」 「「「……ゴクッ」」」
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