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正座をさせられて和泉の話しを黙って聞いている槻館くん。
未だ冷めた雰囲気の笑顔を浮かべている和泉。
「後で拾おうと思ってたなら、最初から放り投げないの。わかった?」
「…はい……」
「あのー?和泉ー?」
私の呼び掛けに気付いた和泉は、はっ としてこちらを見た。
「終わった……?」
「はっ…う、うん!終わった!」
今度は朝から見てきた可愛い笑顔に戻っていた。
「碧ー。大丈夫か?」
「……やっちまった」
がしっ と槻館くんが私と雲野くんの腕を掴んだ。
槻館くんはなんか…げっそりしていた。
「和泉を怒らせるな……。おっかねぇぞ」
「う、うん……」
言われなくても目の前で見たからわかった。でも実際に言われると本当にダメなんだ、と思った。
「そ、そんなことより!碧、一対一(ワン オン ワン)やるぞ!」
「おぉ!」
槻館くんと雲野くんはコートに走って戻った。
「雫ー?」
「ん?」
「さっきあおくんに何言われたのー?」
「んー…なーんもっ」
槻館くんに言われたことは言うべきか一瞬迷ったけど、わざと言わなかった。
「えー何そ―」
「あの2人が終わったら次、やるよ!」
「ちょ、きいて……あ、うん!」
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