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隣からカバンを置く音が聞こえて、驚いて音が聞こえた方を見る。
「あ……」
さっきドアから入って来た可愛い子が、隣にいた。
また、ずっと見ていたんだろう。視線に気付いたその子が、こちらを見た。
そして、にこっ と、笑って――
「初めまして!あたし華川 和泉 (はなかわ いずみ)って言います!」
私の想像していた声、そして彼女の見た目や笑顔とよく似合う、少し高い可愛らしい声。
「わ、私は、時名 雫(ときな しずく)。華川さん…凄く可愛い……」
自己紹介をして、彼女に対して思ったことを素直に言った。
「ほんと?……えへへ、照れるなぁ」
彼女は恥ずかしさを見せて、少し顔を赤くしながら笑った。
もちろん、その笑顔も可愛い。
「ねっ!"雫"って呼んでもいい…かな?」
「う、うん。もちろん」
彼女の顔が不安そうな表情から、ぱぁっ と明るくなった。
「やったぁ!よろしくね、雫!!あ、あたしのことは、"和泉"って呼んで!」
「和泉……。よろしく。…ふっ」
くるくる変わる、和泉の表情1つ1つが可愛くて、素直なんだな、と思って笑ってしまった。
「あ!やっと笑ったぁ!!」
「ふっ……え?」
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