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彼の名前は名取司。
ひとつ年上で、医学部に通うあたしの彼氏。
彼は隣の高校に通っていた。
使う駅が同じで、気づくとよく目があっていた。
告白は司からだった。
一年間の遠距離を越え、今日からこうして近くに住めるようになった。
「そろそろトラック来る頃だよな?」
司は時計を確認する。
「うん。もうすぐだよ」
あと十分くらいだろうか。
「あ、あたしそこのコンビニで業者の人たちに渡すコーヒーでも買ってくるよ」
「じゃあ俺にもコーヒーよろしくね」
「了解」
司に背を向けて歩き出すと同時に、手にしていたはずのバッグがないことに気がついた。
「まさか」
ついさっきまで大切に抱えていたはずなのに。
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