1章

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司が持っている……なんてことはない。 「真子、どうした?」 立ち止ったまま嫌な汗をかくあたし に、彼が訊く。 「バッグがないの」 「え?」 「どこかに置いてきちゃった!!」 バッグの中には財布が入っていて、その中にはあたしの全財産があった。 もちろんカードも身分証も。 「司、どうしよう」 慌てふためくあたしの横に、引越し業者のトラックが停車した。 こうして、あたしの新しい生活は始まった。
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