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「ねえ、柚希。これ、柚希が貰ってくれないかな？」
あたしは鞄の中で不自然に手を動かし、封筒の中身を半分抜いた。
つまり、１５万。
残り１５万円の入った封筒を静かにテーブルの上に置いた。
「借金の足しになればいいけど……」
全額渡す勇気はない。
でも柚希の力になりたい気持ちは、本当に嘘じゃないの。
しばらく沈黙だった。
柚希はゆっくりかぶりを振ると、とびきり可愛い笑顔を見せて言った。
「気持ちはありがたいけど、これは受け取れない。このお金は真子のものだもん。あたしはあたしなりに頑張るから、大丈夫」
力強く言い切った彼女を、心から尊敬した。
あたしなら間違いなく受け取っていたと思う。
喉から手が出るほど欲しいお金のはず。
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