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突き返された封筒がテーブルに残る。
あたしはそれをもう一度鞄
に戻した。
あたしの手元には、再び30万円がある。
「これを受け取らない代わりにひとつお願い。これからも一緒に続けて欲しいの。愚痴を言い合える相手がいないと息がつまりそうだよ。ね、真子」
「……うん。わかったよ」
心のどこかで、石田さんを逃すのはもったいないと思い始めていた。
でも、司にバレたらと思うと不安になる。
あれ。
さっきまでは司に対する罪悪感で胸がいっぱいだったのに。
今はそんなこと忘れている。
あたし、調子いいな。
情けなくて笑えてくるよ。
「真子は司くんのことが気がかり?」
あたしの気持ちを察した柚希。
「うん。彼氏いるのにこんなことしちゃダメだってわかってる。だけど……」
あたしはお金に魅せられはじめていた。
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