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お金を受け取った瞬間の興奮が忘れられない。
今、あたしの体は価値がある。
こうして買ってもらえるのも、若いうちだけだ。
「少しだけなら、司にもバレないかなあ……」
愛人に“少し”も何もない。
「大丈夫だよ。キャバのバイト続けながら一緒に頑張ろう」
バレなきゃ良いんだよ。
秘密でやっちゃえ。
悪魔の囁きだ。
心のどこかに止める自分がいる。
同時に、すすめる自分も存在していた。
「お金があれば好きなものが手に入るよ。お金で買えないものなんて、この世に存在しないんだから」
独り言のように遠くを見つめて柚希がつぶやいた。
金で買えないモノはない。
ああ。
そうかもしれない。
あたしもそんなことを思った。
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