3章

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目を開くと、眩しすぎる日射しが部屋に射し込んでいる。 陽当たりが良好だからこの部屋にしなさい、と母親が言ったことを思い出した。 夏休みに入り朝と夜が完全に逆転した生活を送っている。 ベッドから起き上がり、冷たいグレープフルーツジュースを飲む。 乾燥した喉にグレープフルーツの苦味がしみる。 夏休み中はキャバの出勤を少しだけ増やすようにと、担当の黒服に言われた。 自由な時間はたっぷりある。 出勤を増やすことなんて簡単なこと。 けれどあたしは、出勤を増やすことを頑なに拒んだ。
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