3章

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皆がVIP席を見つめる中、黒服が足速に近づいてきた。 誰が行くんだろう。 指名がいるのか。 いや、一度も見たことのない客だからフリーだろうな。 まあ、あたしは行かないから関係ないか。 ソファーに深く座り直した。 「愛音、場内入ったから」 黒服があたしを見つめて言った。 「はい?誰が場内したの?」 まさか。 「今来た4人の中のひとりだよ」 確信した。 きっと彼だ。 チョコレート色の、彼。 「あと3人はフリーで、アリサ、愛、静香行こう」 柚希も一緒だ。 「場内かあ。脈ありじゃない?色々探ってみてよ」 柚希に肩を叩かれた。 うまくいくかな。 それに、あの瞳が、なぜかとても恐かった。
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