3章

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まあ仕方ない。 とりあえず仕事をしなければ。 「お名前訊いてもいいですか?」 「智樹(ともき)だよ」 「あたしは愛音。よろしくね。今からともくんって呼ぶね」 何がともくんだ。 自分で言って、笑いそうになった。 ふと冷静に周りを見渡してみると、みんなマンツーマンで話が盛り上がっている。 柚希の隣の男は、30半ばくらいだろう。 「愛音ちゃんは、学生さん?」 「うん。そうだよ」 「歳はいくつ?」 「今年19歳」 「どこに住んでるの?趣味は?大学はどこ?」 ちょっと。 質問攻めですか。 しかもかなりプライベートなことを訊いてくる。 住んでいるところも大学も言いたくない。 「趣味はお買い物だよ」 買い物って趣味になるのか。 他の質問は当然のようにスルーした。
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