3章

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ともくんは結局最後までひたすら自分の話をし、電話番号とメールアドレスを訊いてきた。 まさか“教えません”なんて言えるはずもなく、連絡先を交換した。 2時間程休みなく飲み続けボトルを3本あけた彼らだったが、誰ひとり酔っている様子を見せなかった。 また来るかはわからないけれど、面倒だから営業はしないつもりだ。 来たらラッキー。 そう思うことにした。 待機席に戻ると柚希が興奮気味に話し掛けてきた。 「やばい。あいつパパになるかも」 「え?柚希がついてた人?」 柚希が付いていたのは、見たところ普通のサラリーマンだった。 金持ちなのだろうか。 「何かね、投資とかやってるらしいんだ」 なるほどね。 そういう稼ぎ方も有りだ。 「今日は詳しく話せなかったから、また来るって。真子のほうはどうだった?」 「あたしはダメかな。お金はありそうだけど、若いし。それに結婚してないからちょっと危険だし」
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