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ともくんは結局最後までひたすら自分の話をし、電話番号とメールアドレスを訊いてきた。
まさか“教えません”なんて言えるはずもなく、連絡先を交換した。
2時間程休みなく飲み続けボトルを3本あけた彼らだったが、誰ひとり酔っている様子を見せなかった。
また来るかはわからないけれど、面倒だから営業はしないつもりだ。
来たらラッキー。
そう思うことにした。
待機席に戻ると柚希が興奮気味に話し掛けてきた。
「やばい。あいつパパになるかも」
「え?柚希がついてた人?」
柚希が付いていたのは、見たところ普通のサラリーマンだった。
金持ちなのだろうか。
「何かね、投資とかやってるらしいんだ」
なるほどね。
そういう稼ぎ方も有りだ。
「今日は詳しく話せなかったから、また来るって。真子のほうはどうだった?」
「あたしはダメかな。お金はありそうだけど、若いし。それに結婚してないからちょっと危険だし」
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