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あたしの生まれた町はどこからどう見ても寂れている。
壊れた時計のように、町は時間を刻むことを忘れた。
いつでもシャッターのおりた店が並ぶ、アーケード街。
他人の不幸を喜び、他人の幸せを妬む住人たち。
陰口ばかりを言い、誰かの噂話を楽しそうに話す。
狭い世間で生きる悲しい人たち。
あたしの瞳に彼等はいつもそう映っていた。
そんな人間になりたくないと思えば思うほど、こんな町で生きていることが恥ずかしくなり苦悩した。
だけどこれからは、そんなくだらないことで悩む必要なんてない。
今日までの感情は全てこの町に置いていく。
過去はもう振り返らない。
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