1章

5/48
前へ
/482ページ
次へ
乗り込んだ新幹線はあたしを東京まで静かに運んだ。 既にマンションは借りてある。 といっても、あたしが借りたわけではない。 お金を払ったのは両親だ。 父はごく普通の会社員。 母はパート勤め。 あたしはどこにでもある一般家庭の娘。 妹が一人いて、彼女はあたしと違ってずば抜けて頭が良かった。 当然両親の期待はすべて妹に向いていて、あたしはそんな優秀な妹と比較されるためだけに存在する人間だった。
/482ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1340人が本棚に入れています
本棚に追加