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「お兄ちゃん、早くして!」
「ああ、分かった分かった。」
俺は妹にせかされて服の襟を整える。
あまりこういったしっかりしたスーツは着ないから
まだなれない。
ネクタイを締めると俺はカバンを手にした。
「花!
ほら、お兄ちゃんと来な。」
今日は妹の中学の入学式だ。
入学する妹の下に三歳の妹がいる。
花は握ったおもちゃを床に落として
屈んで手を伸ばした俺の腕の中に。
「お兄ちゃん!バスがでちゃうよ!」
「分かってるよ!
花!行くよ!」
俺は花とカバンを抱え
葵の背中を追いかけて家を出た。
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