恨みから。

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俺たち三人兄弟は急いでバス停に。 バスに揺られて、汚い財布で料金を支払うと 立派な校舎とサクラの花が妹を迎えた。 沢山の生徒と保護者が並んでいる。 間違いなく、入学式の受付だ。 「すみません。川島 葵の保護者です。」 「保護者…はい分かりました。」 一瞬相手は俺の言葉を疑っていた。 それもそのはずだ。 俺はまだ二十一歳。 中学生の保護者なんて。 ヤングパパじゃ話にならない。 もちろん俺は葵の父ではなく兄だ。 同じ両親から生まれ血を分けた兄弟だ。 ここいる花ともだ。 俺がこの二人の妹の父親として生きているのは 両親が四年前に亡くなったからだ。 悲しき事故。 そして許されない罪を俺は自ら背負った。
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