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独りで、その崖から海が見渡せる絶好の場所にただ1つだけある、立派とはお世辞にも呼べない墓を見続けるイギリス。
墓の他には草しか生えていないその地で、彼は密かに涙した。
………その墓に眠っているのは、彼が今も愛し続けている人物だった。
最初に出会った時、アーサーという人名で自己紹介したのを昨日のように思い出す。
イギリスは『国の化身』であると明かさなかった。
だから、アーサーと名乗った彼の事は、ずっと自分と同じ『人間』だと信じて死んでいったのだろう。
そうでなければ………
彼がイギリスを庇って死ぬハズが無いのだから。
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