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その事実は、あまたの人々を驚かせる。
いや、事実ではないのだが。
「関と木場が?!」
「マジで?」
「ほんとだって、本人が言ってたし。」
「あー.... ま、お似合いじゃね?」
「美男美女?」
「関のこと狙ってたのに..... 」
「私だって.... 木場くんのこと.... 」
さてさて。
「噂ってば、早いねぇ。これぞ、“悪事千里を走る”?.... あ、間違えた。悪事じゃないか。」
十分悪事だ.... と、木場は既にひけごし。
「ちょっと、ちょっと。」
関は自身の腕を絡ませている木場の腕の袖をちょいちょいと引っ張った。
「.... .... なんですか.... 」
何をされるか。
嫌な予感がする。
木場には“恐怖”が渦巻く。
そして、その感は、──当たった。
「ちょっと、パフォーマンス、してみようか?」
は?
「.... え、何をすれば.... 」
「接吻。」
は、
え、
“せっぷん”て....
キス?!
驚愕の眼差しを関に向ける。
にやあっと笑みをたたえ、組んでない方の腕を掴んで、自身の頬に当てる。
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