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──とうとう、来た。
「アハッ、楽しみだね!」
悪夢の、日が。
「どおしたの?浮かないかおして。」
某テーマパークの入口。
祝日の為かやたら人が賑わっている。
「.... .... .... 。」
この状況で喜べと?
無理言うな、
これから俺は何をされるかわかっちゃいねーんだぞ?
「ま、ちゃあんと時間通り来てくれたし─御褒美は何がほしい?」
褒美だぁ?
ていうか、
遅刻したらなにされるか....
考えただけでも恐ろしい。
「.... 別に。」
「ええー?酷くない?」
俺の望みは、
“帰りたい。”
それだけだ。
「.... .... .... 。」
「.... あっそ。可愛くないなー.... あ、そーだ。ねぇ、何から乗りたい?僕はね、コレかコレ。」
「.... .... え。」
木場は指されたものをみて硬直した。
コースター系かフリーフォールか。
....
どっちもイヤー!
関は腕を組んできた。
「ねー、どっちに乗る?選ばせてあげる。」
ふふ、とまた嫌な笑みをたたえて。
....
選択肢なんてゼロに等しい。
どっちに乗っても末路は同じだ。
負けじと自分でも嫌なくらい爽やかな笑みを浮かべ、
「─いいよ、朱瑠に選ばせてあげる。」
一瞬、
関の顔が真顔になった。
次には、美しくも不気味な目の輝きと共に、
「─ありがと。」
開園まで、
あと少し。
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