23人が本棚に入れています
本棚に追加
──最悪だ。
厄日だ、もう無理だ。
ぐらぐらする頭を抱えながら木場は現状に絶望する。
なんだよ、あの速さは!
しかも急に落ちたり....
心臓.... いや、内臓がひっくり返るような感じ....
は き け が す る。
額に手を当てると、大きく息を吸い込み空を仰いだ。
「─ほら、やっぱり!」
比較的近くで頭に響くような甲高い声が聞こえた。
?
その方向へ顔を向けると、
「チョーイケメンっ!」
「こんにちはぁー♪オニイサン、一人ですかぁ?」
....
.... 女の人が、二人。
....
誰?
「.... なんですか....?」
「きゃあっ、声も超カッコイイー!」
「もろタイプー♪」
.... う、
煩い.... ....
「.... はぁ。」
「ねー、一人ですか?」
「いえ。」
「宜しかったら一緒に回りましょうよー。あ、お連れさんもご一緒でいいですからぁ。」
.... お連れさんて....
友達と来てると思ってんのか?
彼女とだとは思わないのか?
.... 実際はどちらでもないけど....
あくまで、“フリ”だし....
.... まてよ、
この状況、不味くないか....?
ここで、アイツが来てみろ。
俺が何されるかわかったもんじゃない。
“褒美”だか、“仕置き”だかの名目でまた何かやられる.... ....!!
「駄目。」
!!
聞き覚えのある声に肩をびくつかせた。
俯いていた顔をギ、ギ、ギ、と前に向けるといたのは、
天使の微笑みを浮かべた関が居た。
最初のコメントを投稿しよう!