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えっ.... 泣いてる?
良く良くみると、
うっうっと泣いていた。
───あの、狼が?
唖然としていると、
木場が顔を上げた。
目が、合う。
ヤバイ、
赤くなった目尻に、泣いた直後で潤んだ瞳....
僕のS心が騒ぐ。
「あっ!」
木場は、踵を返し、すたすたと.... いや、脱兎の如く走り出した。
狼の癖に逃げんな!
「まってっ!」
関も全力で走る。
しかし、
流石はスタイルがいいのか、歩幅かデカイ分リーチの差が激しい。
くそ、
僕だって、底まで低い訳じゃないのに.... .... ....
ただ、見てみたかっただけのつもりが、
逃げられたら追いかけたくなるのがSの性。
もう、追ってこないと思ったのか、速度を緩め始めたところで。
「─っ!」
捕まえたっ!
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