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『野菜ある?』
「大丈夫だよ」
俺は、片手で冷蔵庫の扉を締めて、缶ビールの蓋を開けた。
風呂上がりで髪を乾かしてないせいで、頭からどんどん水が垂れて来るのがうっとうしくて、乱暴にタオルで髪を拭く。
『おばあちゃんが、きゅうり漬けたから送りたいって言ってるんだけど』
携帯電話からは、口うるさい母親の声が聞こえていた。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ! 気にしないで、ちゃんと食ってっから」
俺は、缶ビールをテーブルに置くと、手洗いしたばかりのアディダスのジャージを伸ばして、部屋に干していた。
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