1724人が本棚に入れています
本棚に追加
母親は、望に冷たい。望のせいで、今まで散々苦労させられてきたからだ。気持ちはわからなくもない。
だけど、望をそんな風にしたあんたも悪いと思うよ。言わないけどね。
『あんたの方はどうなの? 彼女出来たの?』
一瞬、どう答えるべきか迷った。だけど、すぐに芽衣と望の顔が頭を過った。
「…………うん、いるよ」
俺が、まともな振りをしてればいい。この母親には、芽衣のことは話せない。
すると、母親の声の調子が急に明るくなった。
『あら、そうなの!? どんな子?』
「……職場の子」
最初のコメントを投稿しよう!