友達

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「そいつ大分年やったし、自分が小6の時、癌かなんかの病気で死んで、やっとその地獄からは解放された」 そこまで話すと、勇希は顔を上げた。そして、いつもの自分通り振る舞おうとしながら、話を続けた。 「後から知ったことやけど。そいつ色んな女の子に手出しててな。近所に住んどった、1つ下の視覚障害持った子にまで手出してん」 「その子と結構仲良かったのに。自分のことで精一杯で、気付いてあげれんかった。守ってやれんかった弱い自分に腹が立った」 それは、勇希らしい言葉だった。 だけど、勇希の話をそこまで聞いて、俺は正直気分が悪くなっていた。 自分の兄弟に、発達障害児がいたせいもあるだろうが。 居酒屋の電灯は薄暗く、その暗がりで勇希は、昔の自分に起こった卑劣で不合理な出来事を纏めようとしていた。 「……それが理由で男になるとか、そんな風には思わんのやけど」
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