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その後少し経って、俺とゴウと勇希が、新宿のプールバーのテーブルで飲んでた時のことだった。
目の前には、数台のビリヤードの台が並んでいて、そこには仕事を終えたリーマンや大学生っぽい若者達が集まっていた。
そして夜も更け、壁時計が0時を回ろうとしていた頃、店にサーファーっぽい男の集団が入ってきた。
その先頭を颯爽と歩き、誇らしげに左の片耳ピアスを掲げた男が、俺たちの前で立ち止まった。
左の片耳ピアスには、基本的に「守る人」や「勇気と誇りの象徴」って意味があるから、大抵の男は皆そう穴を空ける。
「あれ、勇希じゃん。何やってんの?」
「……響(ヒビキ)」
突如現れた色黒、短髪、茶髪が抜けた金髪の長身の男を見上げて、勇希は目を丸くした。
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