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村人は老人、若者、子供含めて総勢二十人。
比べてみると子供が一番に多いようだ。
皆…げっそりと痩せこけている。
どこの子か分からないが、まだ五つくらいの男の子は壊れかけの風車を大事そうにしっかりと手に持っている。
いつでも贅沢が出来る疫病神は自分と、この者達の価値観の違いをはっきりと感じた。
「……俺はどれだけ愚かな暮らしをしていたんだか…」
誰にも聞こえないように小さく呟いてから
「ちょうちん」
そう言葉を発すと
ポン
ちょうちんが目の前に出てきた。
それを見た村人達は「えっ!!」と驚き目を丸くしている。
先程よりも明るく照らされた一帯。
「俺はな、こういったことが出来る」
「おおお……!!!」
「百両」
再び疫病神が要求すると、
ジャラジャラ
百両が手から落ちてきたではないか。
「おおおおおーーーーッ!!!」
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