夏祭り

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「…ここどこ…」 自分が方向音痴の事なんて。 本当バカ! 自分バカ! なんでちゃんと聞かなかったかな? なんでついてきてもらわなかったかな? 「もう!あんたのせいよ!」 そう右手にある赤くつやつやな、リンゴ飴にあたる。 「そんな奴にはこうしてやるんだから!」 私はリンゴ飴に思いっきりグシャリとかぶりつく。 そして 「…―っ痛!」 歯に詰まる。 この感じが堪らなく夏祭りって感じで、皆嫌だって言うけれど私は幸せな時間で… なのに今は、 「…全然幸せじゃないよ」 皆と食べるから楽しくて美味しくて…それなのに。 「…本当最悪」 最悪どころじゃない。 周りを見ても木しかない。 明かりもなにもなくて祭りなんてどこかに消えていた。 ここがどこかも不明。 ちなみに携帯も不明。 多分リンゴ飴を買いに行く途中で落としたのかな? だから連絡とりようもなし。 人の気配もなし。 ……帰れるかさえ不安。
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