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何この人達!!
臭い!!酒臭い!!
あぁそんなに強く掴まないでよ!!
「いいね~可愛いね~」
金髪の長い髪の毛が顔にあたる。
「やっ…」
「あーもう我慢できねぇ。ここでよくね?」
私を引っ張るチャラ男が立ち止まると他のチャラ男も立ち止まる。
そして顔を覗きこみ
「優しくしてあげるからね」
そんな鳥肌ものの事を言う。
「やっやめて―…」
「おいお前ら手掴んでろ。あ、ちゃんと録れよ?」
「はーいよ」
そう言うとガサゴソと少し大きめのカメラを出してレンズを私に向ける。
「いくらになるかな?これでこの夏は遊びまくりだな」
「お前黙っとけ…撮影始めるぞ…よし」
カメラに赤いランプがつく。
待って。
これ本当にまずいよね。
危ないよね?
だんだんと事の事態に気づき始めたのか体が思うように動かせない。
声も出ない。
「あれー?反応しなくなっちゃった?もっと嫌がってよ。…ま、やりやすいからいーけど」
ニヒヒと不気味に笑うその男を今すぐにでも蹴り飛ばしたい。
でも体は動かないし声も出ない。
それどころか冷や汗すら出てきている。
どうしよう…
携帯もないし人もいないから助けてもらうなんて無理だし。
「いい肌してるねー…」
ツーっと太ももをなぞる気持ち悪い手。
嫌なのに声が出ない、体も動かせない。
「本当可愛いよ…」
気持ち悪い顔がだんだんと近づいてくる。
…あーなんかもう、どうでもよくなってきた。
どうせもう助からないし無駄な事考えても意味ないし。
もう、いいや…。
「何やってるの?楽しそうだねお兄さん達。俺も混ぜてよ」
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