夏祭り

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そんな声がしたかと思えば瞬時に目の前にいたチャラ男は消えていて… 代わりにいたのは 茶色の薄い色素の髪をなびかせて 切れ長でもぱっちりしている目はすごくはっきりしている。 鼻筋の通った高い鼻に薄い唇。 おまけに背は180センチはあるだろう長身、長足。 一言で言えばイケメン、完璧。 ―――いや それだけじゃ足りないというぐらいの完璧な容姿。 「……嘘でしょ」 やっと声が出たかと思えばこんな事。 だって… この人は… 「ど、どうして、冴嶋君が…ここに…」 その人は私が通っている高校 通称、浜野宮高校の人は知らない人はいないだろうと言うぐらい有名な “学園王子” ――冴嶋 薫。 今では他校でも有名なぐらいで噂では大手の芸能事務所からスカウトもうけているとか…。 そしてなんと…私はこの学園王子と同じクラス。 でも話した事ないし、こんな普通の私の事なんか知らないと思う。 心拍数が一気にあがる。 多分今までで一番。 チャラ男の頭を掴んでいた冴嶋君はチャラ男をドカッと地面に叩きつける。 その動作も様になっていて… 「おっ前…ざけんなよ!」 「あっ危ない!」 冴嶋君の後ろからどこから拾ってきたのか木の棒を振り落とそうとしている。 でも 「よっ…と…」 そんな卑怯ものの奴の攻撃などなんのその。 簡単に交わすと私の前に立ち…
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