ばいばい

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キョウ……。 いつもと変わらないその微笑みに、自然と心が安らぐ。 ソレと同時に、私の身体が一気に重たくなった。 眠気が……。 ズシリとのし掛かってくるような瞼。 閉じてしまえばすぐにでも眠ってしまいそうな感覚。 立つのも……面倒なくらい。 「天野さん、部屋まで運びましょうか」 佐原くんが両手を前に出し、言った。 途端に先程のお嬢様抱っこを思い出す。 「いや、いい! 一人で大丈夫!!」 家の中でもされちゃあたまったモノじゃないよ……! また心臓が痛くなる! なぜかまた赤くなる顔にイライラしながら、私は自分の部屋へと全速力で走った。    
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