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「でも、でも、私を襲ったドロジーは佐原くんがミックスだと気付いてなかった……!」
「組織の上層部だけが使用する装置がある。
……過去に、お前たちの母さんが捕らえられたことがあった」
「……!」
お母さんが……?
「そのときに開発された装置で、血を調べればミックスかドロジーかを判別することが出来る」
そんな……。
「それに依千、お前が狙われる可能性がないとは言い切れない。
いつかはミックスへと変貌するお前を放置するとは思えない」
「……」
この時のことも想定して監視役が付けられていた、とキョウは言いながら佐原くんを見つめた。
僅かに力の込もった視線を向けて。
「確かに、天野さんがドロジーに話をしてしまったことは僕の失態です」
いつもの口調で、佐原くんが淡々と話す。
金色の瞳を私へと移動させると、もう一度言葉を発した。
「けど、安心して下さい。
彼女は僕が守ります」
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