プロローグ

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私と弟の零の体内には、吸血鬼の血と人間の血が混ざり合っている。 所謂“混血種”。 ―――ミックスとして誕生した私と零。 ミックスとして生まれた者は、歳を重ねていく間に“吸血鬼としての本能”が目覚めるそうだ。 今、私と零は人間として日々を過ごしている。 姿形も、至って普通の人間。 だけどいつか――…、いつかは二人とも吸血鬼になる。 必ず。 いつ吸血鬼としての本能が目覚めるかは個人差なのだと知った時は、零と顔を見合わせ思わず眉を下げた。 双子だから同時、では無い。 そんな私達の正体や秘密を教えてくれたのが、【キョウ】と呼んでいる育ての親だった。    
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