1199人が本棚に入れています
本棚に追加
「駿は最後までやんなかっただろ? そりゃ行きにくくもなるって。」
駿は高3の引退試合の前に部活をやめてしまっていた。
理由は、親に受験に集中するよう言われたから。
「はは、別に気にしてないからいいんだけどね。結果的には第一志望の大学には受かったわけだし、後悔はしてないよ。」
駿の表情がホントに気にしていないようだったから少し安心した。
「そうだよな! お前もこの辺では一番いいとこに受かったんだもんな。……あれ? もしかして俺だけおばか?」
良治は決してアホというわけではないが、自分の興味のないことには一切力を注がないという、ある意味すがすがしい奴だ。
「ま、いんじゃない? だって良治もあれだろ?
なんだっけ……スポーツ科学科ってのが有名な大学に合格したんだもんな。」
おれの言葉に一気に目をキラキラさせ始めた良治が身を乗り出して言う。
「そうなんだよそうなんだよ! いやあー、マジで受かってよかったぜ。センターでC判定だったときはホントもうだめかと思ったけどな!」
「はいはいおめでとぉーう。」
「んっむぐうっ! ……っぶはあ。駿おまっ突然ポッキー口に突っ込んでくんなや!」
「はははっ!」
最初のコメントを投稿しよう!