にーちゃんなんか知らないもん

再会

「とうさんも同感だな。お前をあんな危険がいっぱいの町で一人で生活させるわけにはいかない。」

「はあああああああああ！？」

出たよ。おれに対するこの家族の過剰すぎる保護プレイ。

「じゃあどうしろって言うんだよ。おれはあそこに受かるために今までめっちゃ頑張ってきたんだぞ？つーか二人だってずっとおれの応援してたじゃん！」

「まぁ待て待て。別に進学させないと言っているわけではないだろう？」

いや……言ってるよ確実に。
それとも何か？この親バカ二人組はおれと共に引っ越しでもする気なのだろうか？

「なあ、綾子？一人暮らしなんかしなくても東京に住む方法はあるよなあ。」

「あら、ホントだわ！最善の策がちゃんとあるじゃないの。ふふふ。」

「さ……最善の策？」

かあさんの無垢な笑みに嫌な予感をビンビンと感じながらも一応聞いてみる。