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「うっらやっますぃーっ。 俺も翼先輩と暮らしたぁーーいっっ!!」
良治の声がまたもやおれの部屋に響き渡る。
「お前はさっきからうるさいの。つーか何がうらやましいだ。バカか。バカなのかお前は。」
「おい、二度言うなや!どこがバカなんだよっ。」
「大事なことなので二度言いました。ってやつだね。」
駿がぷぷぷと笑いながら小声でなんか言ってた。
「いや完全にバカだろ。だってさ、あれだよ?あの変態男と、一緒に住みたいとか、超、イミ、ワカンナイ。」
「カタコトなのはどうして?」
なんでだろうね、駿。あいつのことになるとおれ少しおかしくなるからね。
「何言ってんだよ。お前だって去年までは一つ屋根の下で暮らしてたくせに。」
良治の言うとおり翼が高校生のときまでは家族四人で暮らしていた。
しかし話の流れ的にわかるだろうが、あいつは今東京で一人暮らしをしている。
そしてあいつもなんと、K大生である……。
「一応兄弟だから仕方なかったんだよ。あれだ、不可抗力ってやつ。」
ひどい言い方だとわかってはいる。
しかしあいつは、あのナンパ男は、これくらいでめげたりするやつじゃない。
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