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雅孝はただ歩く。
絡んでくるゴロツキを殴りながら。
「ったく…緩い世界だなここは。」
雅孝が今いる世界は言わば今の日本とそう変わらない。
そのため殺人でもすれば勿論のことブタ箱にぶちこまれる。
チートスペックの雅孝にとっては全力を出すことはご法度なのだ。
「このままだと腕が鈍っちまうな。」
そう悪態をつきながら歩く雅孝の目の前に数人の集団が登校していた。
男子が二人、女子が三人の組合せ。女子は麻衣には劣るが全員かなりの美形。男子は一人が無駄に整った顔つきで、もう一人は上の下みたいな顔をしている。
よくあるハーレム主人公と独り身わき役の組合せと言うべきだろう。
しかし雅孝にとってはどうでもいいことだ。
雅孝はそのままガヤガヤとうるさい集団の横を素通りし学校へ向かう。
後に雅孝と五人組の運命の歯車が狂い始める事も知らずに。
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