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それからと言うもの、麻衣の歓迎会は滞りなく進んでいた。
「「ガツガツ!!」」
「「「「女として敗けた気が…」」」」
「兄様の料理は麻衣姉様に負けず劣らずおいしいです♪」
「雅孝さん。今日は私のためにありがとうございます♪」
俺の作った北京ダック、餃子、カルボナーラ、ピザ、寿司、ローストチキン、フライドポテト、フライドチキン、ハンバーガー、ナポリタン、グラタン、冷製スープ、旬の鮮魚の船盛り、伊勢海老のソテー、フォアグラ入り茶碗蒸し、サーモンのマリネキャビア乗せ、麻婆豆腐…エトセトラ、エトセトラに舌鼓をうちがっつく男陣に、負けたと項垂れながらもしっかり食べる女陣。
「麻衣のためだからな。」
俺はそっと麻衣の頭に手を置き、優しく撫でながらそう言った。
麻衣は余程嬉しかったのか俺の方に猫が甘えるような仕草ですりよってきた。
「むぅ…」
伽凛もやりたそうな顔をしていたが生憎今日の主役は麻衣だから剥れながら眺めていた。
しかし、そんな楽しい時間は無情にも取り払われた。
「ッ!?………麻衣、俺ちょっと行ってくるわ。」
ここにきてから日課になりつつある妖怪退治の仕事の知らせだ。
「解りました。ただ…返り血だけは拭いてきて下さいよ。」
俺は軽く頷くと家を飛び出した。
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