白木蓮

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目に写るものは木、山、田んぼといった誰が見てもわかるほどの田舎風景。 3階から眺めると改めて緑ばっかりだなと思った。 目線を窓から外し前を向くと、国語の教師が教科書の内容を音読してくれている。 先生のほどよい低音の声は6時間目の授業を睡眠授業にしてしまい、クラスの半分以上の生徒が机にうつ伏せになっている。 音読が終わった後に何人の生徒が立たされるんだと苦笑する。 ここに来て、もうすぐ1ヶ月がたとうとしている。 体の弱い私は体調を崩す事が多々あったため、空気がきれいな田舎に家族で引っ越してきた。この引っ越しを期に両親も職業を変えた。 きれいな空気の所で安静に過ごせと言われた。 確かに空気はきれいだよなぁと思った。
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