庭石菖

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改めて考えるとやっぱり彼氏なんて無理そうだなぁ。 ゆっくりとベンチから立ち上がり踵をかえしたとき、地面に咲いている小さな花に目が止まった。 紅紫色の小さな花は植えられた物ではなく、自然に生えていると思われた。 「何て名前だろう。」 誰に聞こえるわけもなく呟いたとき、さらりと風が髪をもて遊んだ。 また、おいで。 「ッー!!」 きれいな顔をした彼の声が頭の中で響いた。 「行って…みようかな。」 彼ならきっとこの花の名前も知っているだろう。 そう思いながら校舎へと足を向けた。
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