庭石菖

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女嫌いである彼が私の隣にいる。 女嫌いって嘘なのかな? 「…ねぇ、樹君さ。」 「樹でいい。」 「…え!?」 「俺も蛍って呼ぶから。…いい?」 「う、うん。」 このクラスで彼のことを呼び捨てしている女子なんて一人もいない。 私だけ!? 「で、何?」 「え?あ、えっと…い、樹って女嫌いじゃなかったっけっ…て」 そう言うと彼は眉を寄せてそっぽを向いた。 「別にそうゆうわけじゃないけど、キーキーうるさいのは嫌い。」 「あ、そうなんだ。」 会話をしているうちに日誌は書き終わっていた。 「じゃぁ、鍵閉めるから出てー。」 急かすように彼を教室から出し、教室の鍵を閉めた。 「じゃぁ、私職員室行くから、ばいばい。」 「あ…あぁ……うん。」 曖昧に頷く彼を不思議に思いながらも職員室へと向かった。
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