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「っ…。」
落ち着け、落ち着け。
季乃さんのペースにのせられると調子がくるう。
心臓が早く活動しすぎて息切れになるわ、目眩がするわで大変なことになる。
なのに人の気も知らずにこの人は。
「ん?何だ?」
睨んでみたが伝わらなかったらしい。
ため息をついて縁側に腰を下ろした。
「ひまだ。」
部屋の中から季乃さんの呟きが聞こえた。
「仕事をしたらいいじゃないですか。」
「それは嫌だな。」
季乃さんは怠そうに起き上がり私の隣に座った。
「今日は風が出てるから涼しいな。」
「そうですよ。家にいるのは勿体ないです。」
さらりと頬をなでていた風が行きなり強くなり思わず片目を瞑った。
「あらら。」
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